別海町パイロットマラソン走ってきました。
この大会は2年前の2014年にもエントリーしていましたが、結局DNS(Did Not Start)。
それは8月に出走した北海道マラソンの大きなダメージにもかかわらずその後の練習で無理をしたためでしょうか風邪のような症状で咳ががなかなか抜けずに体調不良。とりあえずは別海町まで行ってみたものの指をくわえてスタートのランナーを見送った心残りの大会です。
北海道内のフルの公認大会は北海道マラソン、洞爺湖マラソン、今年から新たに加わった函館マラソン、そしてこの別海町パイロットマラソンの4大会です。すでにほかの3大会は完走していますのでこの大会はぜひ制覇しておきたい大会です。
事前準備として
福岡大学の田中宏暁先生の提唱する
1.体重コントロール
2.カーボローディング
を函館マラソンに引き続き実行です。
体重コントロールについては6/26の函館マラソンの3か月前から通常の食事を基本としながらも夕食のごはんを半分、朝食のパンを半切れで我慢。この減炭水化物食により2~3kg落とし学生時代の54kgをキープ。
これ以上の体重減少は筋肉量の低下を招く恐れがあるためこれを維持。
そして今大会1週間前から禁酒とカーボローディング作業に入りました。
ただ今回もなんちゃってカーボローディングに・・・・・・。
本来であれば大会1週間前の日曜日に食事を一切取らず20~30km走のところ
たった4kmのウォークのみ。
というのも前日野幌森林公園マラニックの企画があり22km山道ラン。
そのためグリコーゲン枯渇させる作業は大会4日前の水曜日の1日だけ。
ところがこのグリコーゲン枯渇ランはそれまでの減炭水化物食の為かおなかがすいて力が入らない。町内周回コース(4km)を3回まわったところで雨が降ってきて一時中止。走り終えるまで一切の食事はできないので水を飲みながら雨が止むのを待つ。幸いすぐに雨が止んだので第2回目のグリコーゲン枯渇ラン。でも体が動かない。結局一周4km歩いてまたもやダウン。しばらく睡眠。14時ころに目が覚める。最低でも20kmは走らないといけないのでまたふらふら周回コースに復帰。
眠ったせいか結構走れるが頭に浮かぶのは食い物のことばかり。残りの4kmを走りやっと20kmの最低目標達成。
消費カロリーはたったの822kcal。これで本当にグリコーゲン枯渇した?
走り終わると待ってましたばかり炭水化物摂取開始。
むさぼるように食べる。
その後大会前日までは炭水化物を大量摂取です。
そしてグリコーゲンの無駄遣いをしないように運動は一切禁止。
スタート前のアップも禁止です。
カーボローディングが順調かどうかは大会前に以前の体重から1~2kg増えているとOKだそうですが2日前測ったときはそれほど増えていない。不安になる。
でもやれることやったからOKと楽観的なみねごん。
10月1日ラン友と別海に向けていざ出陣。
車で6時間半かけて宿泊地中標津のマルエー温泉に移動。
話が横道にそれますがこのマルエー温泉おすすめです。温泉は肌がヌルリとするナトリウム泉。効能には神経痛、筋肉痛がうたわれておりますが美肌効果もありそうです。朝夕食ともバイキング方式ですがこれがおいしい。価格もリーズナブル。ビールを飲みながら食事をしているランナーもいました。
ところでここで一つ問題が…
それまで必死に守っていた禁酒。
当然中標津にもたくさんのラン友が結集しています。そうすると酒宴のお誘いが。
いつもは断り切れないみねごんですがここは涙を呑んで一人寂しくホテル飯。
さて大会当日。
天気は晴れ。スタート時の気温20℃。予報では最高気温は24℃になるという。風は思ったよりもない。
最後のカーボローディングですが、朝食の食べ過ぎはNGです。
田中宏暁先生によると通常は高炭水化物を摂取する選手が多いとのことですがむしろインシュリン分泌を抑える高脂質・高蛋白質食がよいそうです。
でも私は通常の朝食です。
準備万端整いラン友と車で30分かけて別海町に向かいます。
ベースキャンプの中標津一二楽走旗のもとへ。
メンバーの方とはあまり面識はないのですがご厚意によりご一緒させていただきました。
ところで今回の戦略です。
聞くところによるとこのコースはほぼフラットでPB(自己ベスト)が出やすいとのうわさ。
往路は多少の上りとなっているが復路は僅かながらも下降している。コース設定としては確かに記録は狙えそうだ。しかしフルマラソンでは何があるかわからない。ここは慎重にいつもの戦略6分30秒~7分/kmで欲張らない。ポイントは30~35kmでどのくらい足が残っているかだ。そうはいってもいつもこのあたりで失速したり歩いたり。筋持久力不足をいつも感じてします。
スタート集合地点は当然ながら「ゆっくり完走を狙う選手」エリアに陣取る。
出走者1,404名とのことですが周りに知ったランナー今回は見つからない。
函館マラソンではあれだけ参加人数(フル3,670名+ハーフ3,203名=7,873名)がいたにもかかわらず複数のラン友にお会いできたのに。
いつもの大会では事前にコースの下見をすることにしていましたが今回はコース図を見ただけ。それでも不思議と不安感はない。いつもはこっちの足が痛いとかトイレのことが気になったり気温が高いだのいろいろなことが頭に浮かぶのですが緊張の中にもどこかわくわく感を感じる。
10:00号砲。
例によってガーミン君のスタートボタンを号砲と同時にピッ。
スタートラインを通過しラップ計測用ボタンをピッ。
この辺のルーチンワークも板についてきました。
ロスタイムは30秒ほど。
一昨年は競技場の高台からビデオを回していたっけ。
今年はやっと出走を果たすことができました。
そしてトラック1周し競技場を後にします。
いってきま~~~す。
陸上競技場を出ると左手につまり別海の街の方へ向かいます。スタート直後は注意です。気分が高揚しているのでオーバーペースになりやすい。ガーミンに目をやると6分30秒のペースです。しかし次の2kmのラップは6分20秒とオーバーペースぎみ。3kmくらいから設定ペース内の6分40秒前後に落ち着く。このペースでとりあえず30kmを目指し刻むことにします。
別海市街地をコの字を描きパイロット国道243号線を折り返し地点に向けて西進です。
コース図でもわかるように別海市街地から17km付近までほぼ直線。日差しが強く大会としては気温が高かったそうです。しかし日差しを遮る木陰が少ないとの情報だったが実際走ってみると多少はあるようだ。
5km給水地点
のどは乾いてはいないがとりあえず給水。北海道マラソンや函館マラソンと違い出走ランナーが少ないので給水ポイントでそれほど混雑していない。
前方を見ると先行するランナーの列が地平線の方に続いている。
精神衛生上よくないので周りの木立、流れる小川、牧草ロールを見ながら気を紛らわす。
いつも走っている自宅近くの野幌森林公園の植生とは違い木の背丈が低い。
北海道とはいえ札幌近郊の景色とはやはり違う。
10km手前
異常発生。
右足母指球に痛みが走る。
函館マラソン出走前にも発現した魚の目が目を覚ましたか?
我慢できないほどではないがこれからの道のりを考えると不安になる。着地点をやや小指側にシフトし母指球を直接刺激しないように調整。
ペースも10sec/km程度ダウンしたが7分/km以内に収まっているので問題なし。
相変わらず直線が続く。
しかしなぜか今回は1kmが短く感じる。
ガーミンに目をやると心拍数も比較的低い。いつものフルの大会では160bpm弱が平均心拍数だが今回は140bpm台で推移しているようだ。
ちなみに今年6月の函館マラソンでは平均心拍数156bpm。
15kmの給水ポイント。
ここでも給水と首筋へ水をかけ暑さ対策。
いまのところ右母指球の痛みがあるが、そのほかの筋肉痛の予兆はない。しかしこれから20kmまでの間には筋肉に異常が出てくる可能性がある。手に持っていたスマホをポシェットに収納。走りに集中する。両手に何も持たないとストレスが少ない。
17km付近から左に折れ長い直線も一時中断。少し行くと確か給水ポイントがあったはず。ここで早めのエネルギー補給をする。ポシェットからウイダーエネイドジェリーピーチ味を取り出し少しずつ口に含む。エネルギージェル補給するときは給水ポイント前がいい。甘く口の中が満たされるが水で洗い流さないと逆に不快になる。今回はもう一つCCD(グリコ)も持参。これはもう少し後で補給しよう。
17.5km給水ポイントが・・・とおもったがここはスポンジだけのよう。みねごん目算狂う。お口の中は甘いジェリーでいっぱい状態がまだしばらく続きます。
足の方はどうなった?
左右の指先が少し痛い。
前回の函館マラソンでは感じていなかったが今回はシューズの指先がタイトな感じがする。
シューズは同じなのでソックスの違いだろうか。
今回のソックスはタビオの厚手のソックス。店員さんに薄手と厚手のものがあるが長距離は厚手のほうがいいといわれ選んだ。
そういえば10km手前で感じていた右足母指球の痛みの方は逆に気にならなくなっている。
着地点変更が効いた為か。それとも意識が指先にいったからか?
20kmを越えるとあちこちの筋肉に痛みがでてくるはず。痛いうちままだいいがひくついてくると危険。ペースは無理せずにリズムを刻んで進みます。
19km付近で右に大きく曲がる。コースに多少変化がでてくる。
20kmに給水ポイント。早速水で口の中をゆすぐ。バナナもあったのでエネルギー再補給。今回のエイドではバナナのある所はすべていただく。結局エネルギージェルは2個持参中1個のみ使用。エイドでは氷砂糖も目に入りました。確かJAL千歳国際でも出ていた記憶があります。
氷砂糖もエネルギー補給にはgoodです。今回はその代りに梅干しをいただきました。
中間点通過
関門閉鎖約10分前。
順調にきた割には結構ギリギリタイム。
中間点から左に曲がり折り返し地点へ。
折り返し地点からゴールに向かうランナーとすれ違います。
見知った顔がないか目を凝らしますがそれらしい人物は見つかりません。
折り返し点
折返し点標識をポンとたたいて折り返す。
さあここからは目視では確認できないが下りのはず。
あとは筋肉の痛みの後にくる引きつりに要注意。注意したところでどうにかなるわけではないが一度攣ると対応のしようがない。しかし25km地点通過してもそれらしき兆候はなし。この調子だと何とか30km地点まで順調にいきそう。最近は野幌森林公園の山道を走ることが多いが舗装路だとリズムを刻んでいけば比較的楽に距離を稼げる。ペースも下りということもあり6分40秒/km前後と安定している。エイドではオレンジジュース、スポドリなるべく糖分、ミネラル分を摂取。
順調に35km地点も通過。
全体的には下りとはいえ上りの個所もある。ここで足を止めるとすぐ攣ることになることは経験済み。絶対足は止めない。35km過ぎたのであと7km。
いつもの練習コース町内周回コース2周弱と自分に言い聞かせる。
それにしても指先の痛さが増してくる。これはマメが原因か。
5kmの残りキロ数表示板がみえてくる。
いつものフルマラソンでは35、次が36kmと数えていくが残km表示は励みが出る。おまけに残り5kmから1kmごとに表示板がある。
見覚えのある街並みが見えてきた。最後のゴールまでのコースはよく覚えていない。往路のコースではなくショートカットだったような自分勝手な記憶だったような・・・。残念ながら来た時と同じコースなようだ。今までの大会とは違いまだ足が残っているのでここから昨年の北海道マラソンで失敗したスウイング走法に切り替える。
スポーツトレーナーの鈴木清和先生が提唱するランニング3軸理論に基づく走法でその人の体形にあった軸と回転運動があり私のような胴長短足タイプは左右の股関節を貫く一本の軸をイメージしそれを中心に上半身を正面に向け両足をスイングするといいらしい。この走り方をすると確かにスピードが出る。ただハーフくらいまではいけるがそれ以上続けると脚の筋肉が悲鳴を上げる。昨年の北海道マラソンではスタートからスウイング走法で攻めたのはいいが中間点以降脚の攣りまくり。きっと私の走りは本来のスイング走法とはちょっと違うのかもしれない。残り5kmを切ったのであれば行けそう。呼吸も苦しくはない。今更足の指の痛さにかまっていられない。K6分近くのペースで別海市街地を駆け抜ける。陸上競技場への最後の直線ではすでに走り終えたのでしょうか陸連のランニングシャツを着たランナーからナイスランの応援コール。
調子づいたみねごん軽く右手を挙げて答えペースアップ。
競技場に入るとさらにペースアップ。股関節から大きく足をスイング。みねごん驚きのK4分台を記録。そしてゴール。
係員が飛んできて「大丈夫ですか」と声をかけられる。よっぽとすごい形相だったのか。
「だいじょうぶでないです」と答えると係員苦笑い。
結果は
4時間43分54秒
函館マラソンのPBよりも10分縮めてのPB。
ベースキャンプで恐る恐るシューズを脱いでみる。
両親指の爪真っ黒。
両人差し指真っ赤。ティッシュで拭いてみるが赤くならない。
出血ではなく血マメだ。
それでも満足感に浸ることができた大会となりました。
【走り終えて】
ラン友からこの大会はPBが出ると聞いていましたがその通りの結果となりました。
一つの要因としてコースが前半やや上り、後半やや下りと設定されていたことが考えられます。また気象条件も20℃前後で風もさわやか、日差しは強かったものの時折木陰もあったこともプラスだったかもしれません
一方私自身のことを考えてみます。
一番不思議なのは平均心拍数が今までの大会の中で一番低かったことです。今までのフルの大会場合平均心拍数156~159bpmでした。
ところが今回は146bpmと通常のトレーニングランでも経験のない低心拍数。ペースは当初の戦略通りK6分30秒~7分の範囲内のK6分42秒。心拍数から考えると生理的にはかなり負担の少ないペースだったようです。
別海M | 函館M | 北海道M | |
開催月 | 2016/10 | 2016/6 | 2015/8 |
Net time | 4:43:54 | 4:53:10 | 4:59:52 |
平均心拍数(bpm) |
146 | 156 | 159 |
回転数(rpm) | 90 | 88 | 86 |
歩幅(cm) | 82 | 80 | 82 |
もう一つ
今までは30km以降のペースダウンが常態化していましたが、今回はほぼ同じペースで刻んでいけたこと。38km以降はむしろペースアップし、トラックに入りK5分を切るラストスパートできるほどスタミナが残っていたことです。筋肉の痛みと攣りがほとんどありませんでした。つまり筋持久力が付いたということでしょうか。
昨年からの課題でこの筋持久力どうつけるか。今考えるに今年の野幌森林公園の遊歩道ランによる起伏走、クロスカントリー走が効いてきたのではないかと思っています。
クロスカントリー走については別海町パイロットマラソンのゲスト浅井えりこ氏の師匠佐々木功のご著書「ゆっくり走れば速くなる」「4章 3時間を切り、さらに10分の短縮を目指す」の「自然の中でクロスカントリー走を」(p162)でその有用性について詳しく述べております。そのほかにも群馬大学名誉教授山西哲郎先生、福岡大学の田中宏暁先生、市民ランナー指導者金哲彦先生、そしてトレイルランナー鏑木毅選手も「脚持ちがよくなる」「脚に粘りが出てくる」などメリットがあると推奨しております。
一方なんちゃってカーボローディングはどれだけ効果があったかははなはだ疑問です。ただ、体重コントロールは効いていると思います。
さて、今年の大きな大会は終了しました。
来年の出走大会の品定めの季節です。
野幌森林公園を走り回りながら来年の目標について考えを巡らせてみたいと思います。
2016/10/8 記
大会当日のブログはこちら
11月中旬になってこんな個人記録証が送られてきました。